2011年3月26日土曜日

金持ち父さんの企業する前に読む本

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◆「金持ち父さんの企業する前に読む本」からのTIPS
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◆はじめに 企業家はどこが違うか
・企業家はお金が無くても正常かつ知的な精神状態で機能できる能力だ
・企業家には訓練すればなれる。農耕時代は全ての人が企業家だった。従業員の必要性がでてきたのは産業時代になってから。その需要をみたすため政府が子供の教育を引き受けた。その目的は、言われたことを言われたとおりに動く、兵士と従業員を作り出すことだった。
・企業家は自由をもとめる、従業員は安定をもとめる。自由を求める気持ちがつよくなったとき企業家の道が開ける
・戦略的アプローチ 発起人:チャンスの認知重視 受託者:資源のコントロール
・目指す経営組織: 発起人:非公式な複数のNWを持つ水平構造 
          受託者:形式化された複数の階層を持つ垂直構造
・報酬に対する考え方:発起人:価値重視、業績が基本、チーム志向
           受託者:安全重視、資源が基本、昇進志向
・ビジネスで取引をまとめる要素は、①適切な相手、②適切なチャンス、③お金。事業家はこの3つが揃わなくても気にしない。(信号が全部青になるのを待つな)
・真の企業家は、走り始めてから自分自身やビジネス、製品に改良を加え続ける
・ビジネスにかかわる人は、E:従業員、S:スモールビジネスオーナー、Bビッグビジネスオーナー、I:投資家に分類される
・高給の取れる仕事はもうない
・従業員として雇われているCEOが給料のために働いているのに対し、企業家であるCEOは給料以外の別の種類の支払いを受けるために働いている

◆第一章 従業員と企業家はどこが違うか
・真の企業家の仕事は、将来大きく成長し、たくさんの人を雇い、顧客に付加価値のある商品を提供し、会社としての責任を果たし、そのビジネスのために働く全ての人を豊かにし、社会に利益を還元し、そして最終的には企業家本人をひつ嘔吐しなくなるようなビジネスの計画を立てる事である
・企業家として成功する確率を高める準備
 ①企業家としてふさわしい考え方を身に付ける
 ②市場やターゲットとする顧客、競合会社などについて調べる
 ③その市場でビジネスを成功させるために必要なスキルが何か知る
 ④競合する会社より自社が優れている点をはっきりさせる
 ⑤成功までの道のりをはっきりと描いたビジネスプランをまとめる
 ⑥自分のビジネスに適切な法的基盤を持たせる
   -有限責任で税的にもっとも有利な法人形態を選ぶ
   -必要な許可書・免許は全てとる
   -知的財産のとりでを築く
・企業家の考え方:自由を求める、偉大なる富を求める、独立に価値を見出す、自分でルールを作る、100%責任を持つ、会社の社風を自分で決める、世界を変える努力をする、問題を見つけてビジネスチャンスに変える、企業家の道を選ぶ
・ビジネスを作り出すのか、仕事を作り出すのか
・B-Iトライアングル:リーダーシップ、チーム、使命。製品、法律、システム、コミュニケーション、キャッシュフロー

◆第二章 へまをすればするほど金持ちになる
・急速に変化する今日の世界では、リスクをとらない人こそがリスクをとっているんです。リスクをとらない人はどんどん遅れをとっているわけですから
・失敗はビジネスの成功にいたるプロセスの一部です。
・間違いを犯すことを避けていたり、犯していないふりをしたり、自分の間違いを人のせいにしたりしていたらいつまでたっても何も学ぶことができない
・人に一番損をさせるのは、お金を失うことの恐怖
・間違いは、何か新しいことを学ぶときが来たこと、君がこれまで知らなかった何かを学ぶべきこと時がきたことを教えてくれる信号
・幸せな負け犬がいるならつれて来い。そうしたら、それが本当の負け犬だと教えてやる。負けは勝につながるべきものだ
・速く走ればスピードが恐怖を燃やし尽くしてくれる
・企業家への移行プロセス:①従業員であることに不満をを感じる、②スタートを切ることに対する恐怖を乗り越える、③ともかくはじめる

◆第三章 なぜ、ただ働きするのか?
・Job(職業としての仕事(お金をもらえる))とWork(自分のための仕事(お金をもらえない))の違いを知る
・町にはWorkはあふれているがJobは少ない
・プロはすでに宿題を済ませている
・よい製品だけではビジネスは成り立たない
・勝つためには「一番」である必要はない:製品、お金を集める:コミュニケーション、売ることができなければ企業家にはなれない:キャッシュフロー、特許をとる:法律、製品を機能させる・会社を維持する:システム
・会社を辞める前にやる宿題:B-Iトライアングルの5つの仕事がしっかりカバーされていること
・稼ぐためにではなく、学ぶために働け
・ビジネスと投資はチームスポーツだ。適切なチーム、適切な使命、そしてB-Iトライアングルの五つの仕事をカバーする適切な人材を見つけられれば、これほど楽しいことはない
・自分がどんなスキルを持っているか、どんな分野が特異か、もう一度見直してみよう

◆第四章 実社会での頭のよさ学校での頭のよさ
・たいていの人にとって難しいのは、何も無いところに向かって突き進むことだ。たいていの人は何も無いところに突き進むより、すこしでもいいから何かあるところにしがみついていて、結局は何も手に入れられない
・速度を早くしようがしまいが、君は失敗する。この学習プロセスを通り抜けるには、失敗をたくさん犯して、その失敗から学ばなくてはいけない。
・成功したければ、みずから進んで失敗を犯す気持ちでいなければいけない
・4つのビジネススクール:伝統的なビジネススクール、ファミリービジネススクール、企業内ビジネススクール、実社会ビジネススクール
・企業内ビジネススクールを出る前は、ビジネスを機能させるのにどれくらいお金がかかるかまったくしらなかった
・成功が弱点を暴く
・四つのビジネススクールに通うこと(学校での頭のよさと実社会での頭のよさを身に付ける)が最良の教育
・ビジネスの世界で勝ち残るための最終兵器は、チームとしての賢さだ
・バスに適切な人を乗せ、適切な席に座らせること。そして、適切でない人たちをバスから降ろすこと(ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則)
・法律や会計の専門家に関して企業家が犯しやすい間違いは、①ビジネス立ち上げ前に、法律と会計面で適切なアドバイスを求めようとしない、②自分がやとった弁護士や会計士のアドバイスに耳を傾けすぎる、③弁護士や会計士をチームの一員にしない
・考え方のタイプ:A-分析能力&批判的思考、T-技術的能力&熟練、C-創造的思考・柔軟性のある論理、T-技術的能力・熟練、P-人間関係・リーダーシップ。ビジネスにとってはこの全てが大事
・最高の人材を集めたチームを作りたかったら、きみ自信も何かの分野で最高の人材で無ければならない
・大事なのはチームとしての頭のよさ

◆第五章 お金がものを言う
・ゴールよりプロセス(なにをして稼ぐか)が大事
・人生で冒険するかどうかが大事だったんだ
・教材としてキャッシュフローゲームを使うことをお勧めする
・今の仕事をやめてビジネスをはじめることを考えている人は、その前に是非、そのビジネスを起こし、稼動させるためにどれくらい費用がかかるか、経験豊富な会計士と細かくチェックして欲しい
・数字を含んだビジネスプランを作る
・ビジネスを作るまでのプロセスを一通り考え、紙に書き、そのプランが語る「物語」を数字で裏付ける作業は絶好の学習チャンスである
・悪いビジネスチャンスは無いが、悪い投資家はたくさんいる
・金持ちが金持ちなのは、自分を金持ちにするような支出をするからだ。貧乏人が貧乏なままでいるのは、自分を貧乏にするような支出をしているからだ
・企業家を見るとき、ビジネスの数字を見るとき、私は企業家のこの能力に、つまりお金を使い、そこからより多くのお金を生み出し、元金とともに取り戻す能力に着目する
・ビジネスを立ち上げるのにはお金が必要
・あなたは将来のためにどれくらい時間を費やしているか?現在のためにどれくらい時間を費やしているか?過去のためにどれくらい費やしているか?

◆第六章 三種類のお金
・最良の答えは頭の中ではなく心の中にある
・一番大事なものは「使命」
・この仕事で問題なのは、一番しかなくて二番がないこと。戦うと決めたら今日家に帰れるのはおれたちかやつらかだ。両方家に帰るわけにはいかない
・チームが違っても使命は同じ(兵士の間のつながりは兄弟の絆)
・ベトナムでの経験から、より強い使命を持っているものが勝つことを学んだ。ビジネスでも同じだ
・所得には、①勤労所得、②ポートフォリオ所得、③不労所得がある
・人が働くお金の目的には、①勤労所得、②ポートフォリオ所得、③不労所得がある
・目に見えない不思議な力を呼び寄せるための一つの鍵は、自分に与えられた贈り物をほかに与えることだ
・たいていの人は、自分に与えられた才能を見つけ育てるために、人生の大半をささげなければならない
・企業家になると決めたら読む本は、「ビジョナリーカンパニー2」とThe War of Art
・使命のために働く
・ビジネスを気づくのに一番関係があるのはあなた自身ではありません。ほかの人たちです。あなたのチーム、顧客、あなたに何かを教えてくれる人たちが一番強いかかわりを持っています。それとあなたがその人たちにどのように役に立てるかが大事なんです
・仕事は人のためにする
・プロセスが開始されると、それによって必然的に神様が助けてくださる。目に見えない軍勢が、私たちの掲げる大儀のものとに集まり、思いがけない発見が私たちをの目的を強化してくれる

◆第七章 ビッグビジネスへ移るにはどうしたらよいか?
・使命の大きさが製品を決める
・B-Iトライアングルがしっかりしないと、SクワンドラントからBクワドラントに移るのは難しい
・英語に「過去を振り返る目は何でも見える」ということわざがある
・一つのプロセスを終えたらそこから一番いいところを吸収して、残りはおいて次のプロセスに進め
・針の穴を通れるのは企業家の知的財産だけである
・自分が一番幸せでいられるのがSクワドラントかみ極める
・Bクワドラントで大きくなりたいと思っている人は、針の穴をを通り抜けるためには、B-Iトライアングルの基礎と、さらに強力なチームが必要
・使命を選ぶ:大きな成功を収める会社はたいていの場合、①問題を解決する、②必要を満たすのいずれかを行っている
・グローバルな使命を持っていなくてもビジネスを成功させることはできる
・問題を解決したり、必要を満たすことを目的とした使命を持ち、その使命を果たすことに焦点をあわせていればお金はあとからついてくる
・ビジネスの計画を立てるときはまず使命から考える。ゴールは何か?あなたの会社の使命は(問題解決?必要を満たす)何か?が決まったら次にB-Iトライアングルの他の部分を築きだす
・ビジネスが成功するか失敗するかは、労働に対する姿勢、決意、願望の三つにかかっている

◆第八章 ビジネスリーダーの仕事とは何か?
・ほかの会社にはできないことができる会社を作る
・ビジネスリーダーの仕事は以下。これができないリーダーは代える必要がある
 ①会社の使命、目標、ビジョンを明確に定義すること
 ②最高の人材を見つけ、チームを結成すること
 ③会社を内側から強くすること
 ④会社を外に向かって大きくすること
 ⑤最終的な利益を増やすこと
 ⑥研究開発に投資すること
 ⑦有形資産に投資すること
 ⑧企業を通して社会に貢献するよき市民であること
・使命しか持っていないという単純な理由から、自分の使命を果たすことができないでいる人が多い
・金持ち父さんも最初に持っていたのは「使命」だけだった
・リーダーが会社を変えられなければ、会社は小さいままで、さらに小さくなっていく
・リーダーの仕事は、B-Iトライアングルを作ること
・ビジネスを大きくする方法には、B-Iトライアングル全体の複製、フランチャイズ化、IPO、ライセンスビジネス・合併ビジネス
・一つの戦術と、複数の戦略が勝利をもたらす
・「戦術」と「戦略」の違いは、「戦術」は何をするかで「戦略」は戦術をどう遂行するかについてのプラン
・ローリスクのアイディアや戦略を常にもっておく、ユニークな戦術的優位性を中心にビジネスを設計

第九章 よい客を見つけるには
・安売り競争に参加するな
・悪い客も首にする。だめな社員を辞めさせないと、優秀な社員が嫌がっていなくなってしまう。悪い客を首にしないと、よい客がいなくなるばかりか、優秀な社員までたくさん失うことになる
・企業家の仕事は人を扱うことだ。人材は最大の資産であり負債である。いつか君も誰かを首にしなければならなくなるだろう
・人を雇ったり解雇したりするのが企業家の仕事
・リーダーの仕事は人をチームとして働かせることだ
・誰もが技術や才能や面倒因子を持っている
・採用には時間をかけて解雇は素早くやること
・多くの場合、大事なのは話の内容ではなく話し方だ。話をしていて険悪になりそうだと思ったら、想像力を働かせて、伝えるべき内容を最も穏便かつ友好的に話す方法を見つけることだ
・企業家としての仕事の一つは、会社と社員を安っぽい客、つまり自分が支払う金額以上のことを要求する客や、ただで何かを要求する客から守ることだ
・マージンはB-Iトライアングルの残りの部分に資金を提供する。マージンによって製品の価格が決まる。商品と価格によって客が決まる
・マーケティングに大事な五つのPは、①商品、②人、③価格、④場所、⑤位置づけ

第十章 企業する前にやっておくこと
・心構えの確認
・B-Iトライアングルの5つのレベルについてできるだけ多くの経験を積む
・売上=収入
・現状を直視し適応する
・お金をうまく使う
・練習のためにビジネスを始める
・進んで助けを求める
・人生のよき師をみつけよう
・企業家のネットワークに参加
・プロセスに忠実に従う(B-Iトライアングルの基本に従う)
 (使命→プロセス→目標)
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その一 成功するビジネスはビジネスができる前に作られる
その二 不運を幸運に変える方法を身につける
その三 ジョブとワークの違いを知る
その四 成功が失敗を暴く
その五 ゴールよりプロセスが大事
その六 最良の答えは頭の中でなく心の中にある
その七 使命の大きさが製品を決める
その八 ほかの会社にはできないことができる会社を作る
その九 安売り競争に参加するな
その十 いつ会社を辞めるべきか?

2011年2月7日月曜日

「ネットワーク型」価値創造企業の時代―アライアンスによる新事業戦略
R.ノルマン R.ラミレス著 中村元一訳 平成8年7月 出版




第一部 今日のビジネスを形成している歴史的・技術的な牽引力
1章 ビジネス世界における新しい論理の出現
・ビジネスは、現在自らの理論を革新しているプロセスの途上にある。経営の実践、プロセス、機構を革新しようとする前に、まずこの基本的な点を理解しなければならない。(p39)
・制度化された官僚的な経営世界は形骸化してしまい、多くの場合には企業発展のとって重大な「ブレーキ」となる。マネージャの心は、自分を取り巻く目先のことのみに心を奪われ、マネージャの物の見方も、自社の環境適応の妨げになっている。(p40)
・著者の研究から導かれた結論によれば、現在の経営世界の多くを支配している基礎的な論理、コンセプトの枠組みは、現在出現し始めているビジネス世界の論理とは基礎的に位相を異にしている。(p42)

2章 ビジネス世界における成功要因の変遷
・初期の経済活動は、天然のモノ(農水産物)であれ鉱物であれ、新しい材料の抽出およびその貿易に基づいていた。この「抽出」経済におけるキーとなる主要成功要因は、原材料に対するアクセスの確保(立地、抽出用具、輸送手段)に関係していた。(p43)
・職人に基礎を置く前工業経済および工業経済は、当初の(抽出・貿易)経済とは異なる活動、-材料および資源の製品への転換-に中心を置いていた。この「転換」経済におけるKFSは、エネルギー資源(風車、水車)から生産知識の獲得へと変遷していった。(p44)
・ラリー・ヒルシュホルムはその著書(Beyond Mechanization(1984 ))の中で、技術進歩は経済の立役者がステップを踏みながら、次第に制約から免除されていくプロセスであるという議論を展開している。(p44)
・工業経済発展期での成功は、製品の製造(<課業の専門化>、<課業の標準化>、<大量市場>、<大量生産>)と製品の販売にも基づいていた。(p45)
・工業経済後期での成功要因は、製品の販売を保証するための資源を能率的に使用することを可能にする知識(マーケティング知識)が決定的なKFSになった。(p46)
・ポスト工業化時代のKFSは、生産知識やマーケティング知識の優位性に依存するのではない。それは工業経済の形態、価値創造の形態においては未開拓で、しかもほとんど未活用の他の資源の活用に依存するのである。(p47)

3章 21世紀型セクター・モデルを求めて
・ガシュニとマイルズが雇用面から議論したように、そして著者が価値創造面から本書で主張するように、現在出現し始めている経済のもとでは、この財とサービスの伝統的な区分はもはや約に立たない。(p50)
・多くの製品は、かつてはサービスとして販売されていた構成要素のパッケージであることは、ほとんど自明である。(p51)
・サービスは、製造とは異なる一組の価値創造活動を構成する要素なのではない。サービスは、財に取って代わることはない。したがって「ポスト工業化」は、全ての活動がサービス志向型になろうとしているので、現在の経済時代に「サービス経済」というラベルを付けることに私どもは反対である。(p53)

4章 マイクロプロセッシング技術がもたらした変革
・マイクロプロセッシング技術は、一秒の何分の一という短時間の中に、何百万という課業を追行することができる。そのおかげで、光通信およびデータの貯蔵もあいまって、活動および資源が他人にも広く活用できるようになる。(p57)
・マイクロプロセッシング技術のおかげで、機器は多数の機能を遂行することができる。(p58)
・あるビジネス状況の中では、どんな立役者でも-経済価値を創造している人ならば誰でも-時空間の次元の中で機能を営んでいる。(p61)
・ある特定の時空間の状況の中で、行動を行うための<選択肢>が増大しても、<実際の>行動が増大するわけではない。選択肢の濃密性の向上は、ある特定の行動を行わないという選択肢を意味するかもしれない。(p63)
・マイクロプロセッサーによって可能になった作り付けの多機能型の資源は、選択肢を増大させる濃密性の増大を可能にしている。(p64)
・資産は価値創造活動の累積である。(p64)
・農業経済では、立地へのアクセスが保障された資産と、貿易対象になる原材料を抽出する抽出・農業機械のような他の資産が結合された。工業経済では、生産知識を具体化する資産は、貿易対象になる資産を創造するための資産(生産設備)と結合された。(p65)
・マイクロプロセッシング技術は、経済活動の構造を革命的な形で革新し、資産の結合に対する時空間の障壁をさらに自由にした。(p65)
・「濃密製」および「流動性」はマイクロプロセッサーが獲得した資産の決定的に重要な二つの特徴である。(p67)


第二部 ネットワーク型価値創造の展開
1.パートナーとの共同価値生産
5章 製品とは何か?
・どんな「財」であれ、「財」というものは、非常に多数の立役者が遂行する活動を信じられないほどに複雑に組み合わせた物理的な具現物であると考えるのが有益なのである。どんな「サービス」であれ、「サービス」も同じ理論に従っている(P74)。

6章 提供作品パッケージの濃密製と価値創造
・提供作品パッケージは、財およびサービスの両方またはそのいずれかのこと(P76)。
・提供作品パッケージが顧客企業それ自体の活動に対してより多くの選択肢を提供するにつれ「濃密性は高くなる」(P76)
・提供作品パッケージは、顧客のために、そして顧客と共同で価値を生産するために異なった時間と場所で共同する多くの立役者を巻き込む価値創造活動の複雑な組み合わせの結果なのである(P76)
・トンプソンは組織の部門間の三つのタイプの関係を説明した。それは、「プール型」、「逐次型」、「双方向型」の関係がそれで、「双方向型」は時空間の制約が除去されたことによって、流動性および濃密性が立役者たちのインターフェイスにもたらしたものなのである。連鎖型付加価値コンセプトは「双方向型」を包含していない(P79)

7章 価値共同生産の事例
・自動車販売に見る価値共同生産の立役者はメーカー、流通、ディラー、顧客。メーカー→流通→ディラー→顧客の価値連鎖の関係以外にも、各立役者は他の三者からのインプットのおかげで、どの立役者ももっと効果的にビジネスを展開できる。そして、どの2者間の関係を見ても、果てしなく続く次の段階の相互援助を目的として相互に援助し合っている。

8章 顧客企業にとっての顧客
・もし、当社の顧客企業が新しい競争に直面して生き残れるほどに強力でなかったら、その理由は、顧客企業と当社ぐるみで、適切な価値共同生産関係を持っていないからに違いない(薬品流通企業のマッケソン社の気づき)(P84)
・マッケソン社は、その時点まで顧客企業に提供してきたのとは異なる作品パッケージを提供しようと決意し、「顧客企業の成功こそが当社の成功なのです」というスローガンを採用した(P85)
・このスローガンを採用することで、自社ビジネスの対象分野を多くの立役者(利害関係者)にまで拡大し、顧客企業の課題(売れ筋商品、お金の流れ)を見つけることができた。(P86)

9章 立役者間の活動の移転-構造革新
・価値創造システムは2人以上の立役者を巻き込むので、分業を伴う。立役者たちは、それぞれの活動を遂行するために相互に協力し、しかも相互協力を目的にして相互に協力する。(P93)
・さらに、価値の共同生産関係においては、その課題の構造それ自体も共同生産の対象になるので、異なる立役者たちに対する活動割り当ても革新の対象になる。(P93)
・活動の割り当ての構造革新の方法にとってのキーとなるのは、<負担軽減>および<機会付与>というコンセプトである。(P94)
・企業活動は、単位あたりコストの低下および非能率なそう互助成をめぐる戦闘を目的とするだけではなく、①リスク共有化、②リスク吸収、③リスク管理の最適化を目的として、割り当ての革新を行うことが増えている。(P95)
・「顧客」「サプライヤー」という言葉は、価値共同生産関係を間違った方向に導きつつある。この立役者は両方とも「サプライヤー」であり「顧客」である。価値の差異の存在が認識されたときには、貨幣が価値の差異を評価する。(P96)

10章 パートナー企業との間の価値共同生産の革新てきな関係
・ポルシェは、自社のエンジニアリング・ノウハウの潜在能力を認識しているので、ボルボおよびシアートのように、開発プログラムの加速化が必要な非競合の自動車メーカーに対して、自社の知識を販売し始めている。(P97)
・シアートとポルシェの両者は、パートナーシップを通じて価値共同生産を行うことによって、それぞれの単独型経営のコスト負担要素を、売上高を創出する競争力のある価値創造要素としての提供作品パッケージに転換させる効果的な方法を創造している。(P98)
・連鎖型付加価値のコンセプトが説明している製造企業の世界における関係と対比すると、価値共同生産における関係はもっと複雑で、もっと多方向で、もっと同時的である。(P99)
・価値の共同生産を行うパートナー企業は、新しい関係を構築することを通じて、価値の共同製造を行っているのである。

2.提供作品パッケージと価値創造の論理
11章 マイクロレベルのアプローチの重要性
・「マクロ」経済を理解するためには、経済取引の正に本質(分析の「マイクロ」レベル-を批判的に検討する必要がある。(P102)
・いくつかの期間は価値の交換によって生計を支えており、この価値の交換は、結局は比較優位性の原理に依然として基づいている(p103)
・取引は、複数の立役者の間の「提供作品パッケージ」の交換を対象とする。提供作品パッケージが変化するのに応じて、そしてパッケージがもっと共同生産型になるのに応じて、それを取引する機関も同じ方向をたどる。(P103)

12章 マイクロレベル-その構造に対する観察
・経済取引の主題は、値札を持つ活動および資源、この両者あるいはそのいずれかの交換である。
・価格は①サプライヤーによる行動、②顧客がサプライヤーの行動に対してアクセスを獲得するか、それを所有するために遂行する行動、この両者の間の差額を示している。(p105)
・「知識」、「資源」、「活動」は、それぞれ個々の使用者にとっては時空間における多種多様な方法で明示される。この三つの資源がそれぞれの使用者に利用可能になる方法を選択することが、ビジネス開発のキーとなった構成要素なのである。(P106)
・資産および資源は、ある特定の目的のために構造化されている活動の<蓄積>である。この活動には、天然資源に対するアクセス、資源の複雑な転換、基礎的な技術および科学に関する知識開発がある。(P106)
・顧客の購入対象が「製品」であろうと「サービス」であろうと、顧客は実際には<資源へのアクセス>を購入するのである。(p106)
・具体的な財の中にパッケージ化された活動は、その時代の大量生産の規模の経済にもっと容易に適応していた。(p107)
・サービス活動は、規模の経済から便益を得るという目的ではデザインしにくかった。(P107)
・サービスが「製品化される」ときに限り、規模の経済は達成された。(p107)
・多機能型のマイクロプロセッサー技術に伴って、ある特定の製造システムあるいは他のどんな資産でも、複数の目的のために、そして異なる製品パッケージのために使用できる場合が増えてきている。このおかげで競争力あるコストが実現できる(p108)
・多様性が数量に取って代わっているが、コストおよび活動の共有化は依然として必要。(p108)
・営業取引の中に盛り込まれた知識および活動の移転が、具体的な証明の形では表現されずに、ある特定の時空間における人々の活動・システムを包摂しているか、その活動に中心を置くときに、工業経済ではそれを「サービス」と呼んだ。(p109)
・容易に移転可能な具体的に明示化した物(財)という形に人間行動を「包み込む」方法が一つもみつからないときに、多くの「サービス集約型」の提供作品パッケージは存在する。(p110)
・規模の経済に中心を工業経済では、サービスが経済的に生き残るためには「製品化」する必要がある。(p110)
・アクセスはサービス経済(価値共同生産経済)の範囲の経済が提供する所有権の移転に対する一つの代替案である。(p110)
・提供作品パッケージの競争力を決定するのは、どれだけ多くの原材料の所有権を移転するかという点ではなく、どれだけ効果的に生産資源をアクセス可能にするかという点である。(p110)
・提供作品パッケージには、時間の次元(過去の活動を蓄えながら将来の潜在的な活動のコードを包摂)、空間・立地の次元(同時性に対する地理的な土台付け)、経済の立役者間の次元(提供作品パッケージの中の社会システム)の3つの次元がある。(p112)
・提供作品パッケージのデザイナーは、最適な価値創造のためにどれだけ異なる立役者たちの活動を構造化(誰が、何を、いつ、どこで、誰と行うのか)しなければならない。(p112)
・デザイナーは、提供作品パッケージの立役者の役割(境界線)を定義し、比較優位性の原理によって適切な立役者に割り当てる。(p112)

13章 連鎖型付加価値を超えてネットワーク型価値創造へ
・ネットワーク型価値創造コンセプトでは、企業が提供する作品パッケージは、経済の立役者が価値を共同生産するために集合する境界である。(p113)
・顧客は提供作品パッケージの受動的な注文者/購入者/利用者であるだけでなく、その多くの他の消費方法に参加する。(p114)
・語源学的に見れば、消費は価値の創造を意味する。(p114)

14章 コード化情報要素としての提供作品パッケージ
・顧客企業がある「財」や「サービス」を購入するときは、自社の課題に際してそのパッケージがどんな援助をしてくれるか、とういう点には関心を示すが、そのパッケージの構成要素には関心を示さない。(p116)
・ある提供作品パッケージの効果性は、そのパッケージがいくつかの活動をどれほど上手に「包み込んで」いるか、そしてその活動をある時空間単位の範囲内で使用者/消費者にどれだけ上手に利用可能にしているかという点に関連している。(p116)
・提供作品パッケージ・コードは、そのパッケージによって利用者が行えること、行えないことに関する支持を使用者に与えるので、利用者の活動の引き金を引くのである。(p116)
・コードは提供作品パッケージの作り付け型の指示要素であるので、顧客・消費者行動に影響を与えるので、顧客企業に対する提供作品パッケージの価値は、そのコードが顧客の他の経営資源にどれだけ上手に適合するか、という点で決まる。(p117)
・この<適合性>の程度が、提供作品パッケージの<リバレッジ価値>を決定する。(p117)
・適切なコードがなければ、顧客は、提供作品パッケージの中に「包み込まれている」貯蔵された活動の潜在能力を解釈・評価することはできない。そうすると、そのリバレッジ価値は低くなり、場合によっては不在になる。(p117)
・コードは、保障のような価格要素、製品の物理的なデザイン、サービス環境の整備、顧客への個別相談、広告のようなマス・コミュニケーション、指示ガイド、包みなどに示される場合がある。(p117)
・価値提供企業と顧客企業との間の活動は最適化の問題であり、どのパートナーが最もよく、最も早く、最も安く、最も清潔で、その他の点でベストであるか、ということに関連する。(Van der Heijiden,1993)(p119)

15章 リバレッジ-顧客企業の価値創造への貢献のてこ
・価値提供企業および顧客企業間の潜在的な価値創造活動の適合性を向上させる、提供作品パッケージ・コードの適合性は、顧客企業が価値を入手するという目的に<現実に>一致していなければならない。この点で<リバレッジ>というコンセプトが出てくる。(p120)
・効果的なリバレッジは、提供作品パッケージを提供する企業が自社のビジネスで何を達成するか、という点によって決定されるのではない。それは、顧客企業の価値創造の達成に対して何を援助したか、という点によって決定される。(p120)
・リバレッジの一つの手段は、顧客企業の顧客を提供作品パッケージのデザインの基礎として直視することである。(p120)
・顧客企業に対する優れたサービスは、共同問題解決プロセスの成果なのである。そのプロセスは、作品パッケージ提供企業は、両者の共有活動を適合するもっと効果的な手段を通じて、価値創造をさらに推進する新しい方法を発見するために、自社および顧客企業、この両者の知識を統合するように努める。(p121)
◆負担軽減型の提供作品パッケージ
・<負担軽減>とは、比較優位性がそれを保証する場合には、顧客企業がそれまで自ら行っていた-あるいは行うことができた-活動を、価値提供企業に対して割り当てることである。(p122)
・「経済の第三者化」という意味でのいわゆる「サービス産業」急激な増加の多くは、①クライアント企業の中核活動に直接関係の無い活動の「パッケージの解体化」、②「構造面での社外化」、③「資源の社外調達化」に関連がある。(p122)
・負担軽減という作品パッケージの提供は、サービスの形態以外にも、「財」という具体的な形態で明示化される場合(ライダー・システム)や、所有権が移転している「財」(ドリル)の場合も多い。(p123)
◆機会付与方の提供作品パッケージ
・提供作品パッケージが<機会付与>の役割を演じる価値提供企業および顧客企業の間の関係は、顧客企業がそれまで別の方法で行うことができなかったビジネス、もっと効果的には行うことができなかったビジネスを支援する。(p123)
・機会付与が積み重なると、顧客企業の生産システムは、もっと効果的に構造革新を行うことができる。(p124)
・どの提供作品パッケージも、「本来は」軽減負担方や機会付与型であるわけではない。これらは、提供作品パッケージが顧客企業の価値創造活動にどれだけ効果的にピッタリとはまり込んでいるかという適合性の関数なのである。(p124)
・金融サービス産業においては、①クライアント企業の<ために>仕事を行う企業、②クライアント企業それ自体が事故保険企業や社内銀行のようなビジネスを開始するのを<援助した>企業、この両者の間に多くの闘争があった。(p125)

16章 企業ごとに代わる価値創造の論理
・関心の焦点を顧客へ提供している製品から顧客それ自体に移行することで、企業は自社を一つの支援システムとして眺め始める。(p126)
・当初の製品は、提供作品パッケージの顧客基盤にアクセスするための<歴史的な>手段となる。提供作品パッケージのデザインが展開される源泉は、この歴史的な基盤なのである。(p126)
・こうした方法で提供作品パッケージを検討すると、それは「現在も行われている」仕事の共有の処方箋であるだけではなくて、一つのダイナミックなプロセスなのである。(p126)
・必要な生産的な知識は、ビジネス・パートナーあるいはその他の手段を通じて、また顧客企業の価値創造の論理の創造的な解釈の革新を通じて、アクセスするか買収することも可能であることを考慮すれば、賢い作品パッケージ供給企業は、こうした顧客企業との間でもっと効果的な共同生産関係をデザインすることができる。(p127)
・著者がここで提唱したいアプローチは、顧客企業の<ニーズ>を識別・充足することに躍起となるアプローチではない。むしろ、作品パッケージ提供企業としては、その顧客企業の活動プロセスを補完する活動を識別し、それを提供することに集中するアプローチの方がもっと役に立つし、戦略的にも適切である。(p127)
・顧客企業は価値を達成する行動に従事するが、それには資金的な価値だけではなく、社会的・心理的・芸術的・倫理的な価値も含まれる。優れた作品パッケージ提供企業というのは、顧客企業がもっと効果的に価値創造を行うのを援助する企業である。それと同じように、作品パッケージ提供企業が留意すべき点は、「もっと効果的に」という意味はコスト削減という意味だけに留まらずに、もっと多くの意味を持っている、という含意である。(p127)
・その具体的な内容の共通項は、顧客価値および、顧客企業にとっての顧客(価値のタイプ次第では、子供、奥さん、隣人、地域社会も含まれる)がそれらの項目に価値を認めてくれることである。(p128)
・価値を創造するためには、常に価値創造者の立場にいる顧客企業は、伝統的な表現を使えば「財」、「サービス」、「情報」の支援、現代的な表現を使えば提供作品パッケージおよびそのコードの支援を必要としている。(p128)
・具体的な物、個人の活動あるいはシステムの活動、情報の三者はすべての提供作品パッケージの必要な構成要素である。(p128)
・価値創造の論理は顧客企業ごとに変わるので、特定の顧客グループの価値創造活動にケース・バイ・ケースで統合することが提供作品パッケージ提供企業のキーとなる仕事である。(p128)

17章 提供作品パッケージの固有の次元
・顧客企業の価値創造の論理にピッタリとはまり込むためには、各々の特定の顧客企業に対して「適切な」場所で、「適切な」タイミングに。「適切な」形態で、「適切な」立役者が提供作品パッケージを納入する必要がる。(p131)
・スタンディビス(1987)が指摘したように、どんなときにも、どんな場所でも、ジャスト・イン・タイムで入手できるトレンドにある(p131)
・技術制約の崩壊がもたらしている一時的な柔軟性の増大によって、提供作品パッケージを時空間の中にもっと正確に位置づけることが可能になり、時間の節約、時間の充実をもたらす。(p132)
・活動を最も能率的に追行できる場所に、その活動を具体的に分散させ、再配分する能力も顧客企業との価値創造関係を獲得・維持するために不可欠になっている。(p132)
・提供作品パッケージの次元は、<範囲>、<時間の地平線>、提供作品パッケージが許容する活動の<選択肢>である。(p133)
・ボルボは自動車の販売企業であるという視点を捨て去り、自動車の所有およびその利用を支援する企業である、という視点に展開した。このとき、自動車は顧客の価値創造システムへの参入点と見なせ、提供作品パッケージの範囲拡大の起点となった。(p135)
・提供作品パッケージの<時間>の次元は、顧客との価値共同生産関係が継続する期間を表している。(p135)
・GMが、自動車購入資金を提供する銀行や他の資金提供企業から非常に高いマーケット・シェアを奪い取れたのは、提供作品パッケージの<範囲>の拡張のいい事例。(p138)
・提供作品パッケージのデザインには、①リスク・不確実性の測定、②不測事象あるいは偶発事項発生に伴うリスクの削減能力、③不測・偶発事故発生時の影響を包み込む能力、対応する能力、吸収する能力、④前段で記した構成要素に対応する関心、動機付け、⑤緊急事象の影響に対する耐久力、を盛り込んでいる点を理解することが重要である。(p138)
・提供作品パッケージのリスク共有化デザインのパラメータは、①独立したリスクのパッケージの開放および価格設定、②リスクの処理・削減行動の奨励・動機付け・報酬、である。(p139)

3.構造革新
18章 ビジネスと産業構造の革新の進展
・新技術、グローバル競争、市場変化が、さらに広範囲の価値創造の選択肢を開放し、パッケージの構造革新が可能になった。このことで価値創造システム全体が今変化している。(p140)
・現在のビジネスおよび産業が根本的に再定義されたり、時には消滅したりしてしまうような活動の再配分のプロセスを「ビジネス構造の革新」と定義する。(p141)
・ビジネスの構造革新は、次の3つのレベルで発生する。L1:企業が提供する作品パッケージ(ビジネス開発は、企業が提供する作品パッケージの革新)、L2:組織(組織の境界、組織相互間の配列の革新)、L3:組織づくりのコンセプト、精神的なイメージ(現在とは異なる準拠体系の開発)。(p141)
・提供作品パッケージの変革は、組織境界を決定付ける顧客企業/価値提供企業のインターフェイスを変容させる。(p142)
・ビジネス戦略の優劣は、企業が提供する作品パッケージおよびその仕組みで決まる。(p142)
・著者たちの研究の結論は、「顧客を求めて市場で相互に競争するのは、企業ではなく企業が提供する作品パッケージである。」、「自社の手元に残る現金は、両者間の価値共同生産関係において、価値提供企業および顧客企業が遂行する活動の間に残る差額を構成する価値の<残余分>である。(p142)
・①戦略的意思決定および②組織機構と組織プロセスの革新と③提供作品パッケージのデザインの革新とを連鎖させ、効果的な組織機構および組織プロセスを通じて①と③を連鎖させることができる企業が、競争に勝利する構造革新を達成できる企業である。(p143)
・自社が構造革新に成功するか、他者の構造革新の標的になるかの二者択一こそが、今出現し始めている新しい経済の正真正銘の選択なのである。(p143)
・新時代への構造革新は精神的なイメージ・レベルで決まる。(p143)
・精神的なイメージ・レベルに立つ著者の構造革新の枠組みを通じて、提供作品パッケージのデザインおよび組織の可能性を眺めれば、世の中に<成熟>ビジネスは一つも存在しない。そこにあるのは<成熟した>準拠体系だけである。
・新しい「価値生産」の現実に適したメタファーは、「提供作品パッケージ」、「濃密性」、「流動性」、「構造革新」などである。

19章 なぜ構造革新を行うのか
・①価値創造システムの内部の状況、②進入企業の状況によってゲームのルールは変化している(Normann,1989)。ゲームのルールが変化するときには、新しいインターフェイスが導入され、価値創造システムの構造が革新される。(p147)
・インターフェイスの定義やパートナー企業との仕事の最適な分担を考え直そうとしない企業は、競争で完全に取り残されることになる。(P148)
・インターフェイスやパートナー企業との役割分担の変化が一般的になるのに応じて「自社の現存組織(存在意義)とは何か?」という点を明らかにする必要がでてくる。(p148)
・ネットワーク価値創造のもとで、顧客企業と価値提供企業間のインターフェイスを、提供作品パッケージという形で姿を表している価値共同生産関係として眺めることができれば、企業は、インターフェリスをダイナミックにしかも継続的にその定義を革新し、その構造を革新することができる。これが、現在出現し始めている経済のもとで競争力を継続する最良の道である。(p148)
・構造革新こそ、自社のコンピタンス開発と顧客企業の開発の適合を可能にする一種のメタコンピタンス(Know-what、Know-whoを包括するタイプのコンピタンス、Know-why)である。(p148)
・現在出現しつつある経済環境のもとでは、自社自らが構造革新を行うか、さもなければ他社の構造革新の標的になる、全ての企業は正にこの二者択一を迫られている。(p149)
・競争とは顧客企業基盤を求める闘争である。(p149)
・顧客企業の価値創造において、最初にそして最も顕著な形で明らかになるコスト、売上高を計算することからスタートするのが、決定的に重要になっている。(p150)
・資産として顧客企業の重要性の増大を考慮すると、企業の意思決定を行うにあたって自問自答すべき決定的に重要な質問は次の3つである。①この資産をどんな方法で大事に取り扱ったらよいか?②この資産の潜在価値をどのように上手に活用したらよいか?③この二つの質問に対する具体的な責任者は誰か?(p152)
・資産としての顧客基盤のアセスメントポイントは次の3つ。①顧客基盤関係の質と量の変化、②顧客企業が創出する収益のモニタリングがどの程度できているか?③自社が顧客企業から得る収入の減少具合はどうか?(p152)
・顧客企業は、従来に比べてはるかに行動的になり、豊富な情報を持っており、洗練されてきている。このため、現存の関係を当たり前とするのが難しい状況になっている。(p153)
・顧客は、自分の時間を節約するか、充実させたいと思う。自分の支出および消費が自分のライフスタイルおよびアイデンティティに適合し、それを充実させることを好む。(p153)
・単純型、一方通行方、逐次型、取引型のビジネス論理から、価値共同生産型、双方向型、同時型、関係型のビジネス論理への移行は、顧客関係における分配金の増大の結果であると同時に、それへの貢献の結果でもある。(p157)
・組織セグメントの形態であれ、個人的な価値創造者の形態であれ、企業の組織は顧客のニーズ・ウォンツを反映するようになっている。(p157)
・長期の関係では、自社と顧客企業、この両者にとって、顧客企業の高い収益性を保障することが重要である。「もし自社が顧客企業の世話をしないなら、他社がそれを引き受けるに違いない。」(p158)
・「自社が満足した顧客を持っていなければ、自社のビジネスは存在しない」というのは本当であるが、「満足した顧客が収益性の高いビジネスを創造する」というのは非常によく見られる基礎的な誤謬である。(p158)
・もし顧客企業が、自社にとってますます決定的に重要な資源になりつつあるのであれば、経済理論の教えからすると、その顧客という資源あたりの利益を監視しなければならない。
・自社の売上高は顧客企業のコストである。顧客企業のコストは自社の製品購入費用以外にも、①注文数に関連するコスト、②注文の規模に関連するコスト、③顧客が価値提供企業とが関係を結ぶ方法に関連するコスト、④価値提供企業がある特定の顧客企業に対して払う特別の関心に関連あるコスト、⑤価値提供企業がある特定顧客に対して「例外的な形で」貢献する特別の資源に関連あるコスト、⑥価値提供企業が資源を利用する個人価値の著しい技能および性向に関連するもの、がある。(p160)
・顧客企業の潜在利益は、顧客企業が購入する潜在ビジネス力と提供作品パッケージによって決定される。(p163)
・顧客企業の潜在ビジネス力は、自社が提供する作品パッケージの2つの次元<時間(繰り返し購買)>と<範囲>が定義する領域によって幾何学的に表現される。(p163)
・自社の成功は、自社が顧客企業の成果達成を援助する内容(自社の提供作品パッケージのレバレッジ効果)に関係がある。(p163)
・自社は顧客のニーズの充足という源泉から現金を創出するのではなく、その価値創造の効果的なリバレッジという源泉から現金を創出する。(p163)
・バクスタ-でさえも、ことによると軽減負担方の役割から機会付与型の役割の移行(単なる「作品パッケージ提供企業」から「コンサルテーション提供企業」への内包された問題点の一つの例証なのかもしれない。

20章 構造革新で成功した企業の事例
・新技術を活用した提供作品パッケージのデザインおよび顧客の時間配分の選好に関する卓越した理解は、革新的なビジネス・アイディアを可能にする。時には、そのアイディアが新しいタイプのビジネスを創造する。(p171)
・アメックスは旅行者に対するサービスを提供する企業である、というアイデンティティを持っていた。同社は旅行と旅行費用を容易にし、両者の間に均衡をとるシステムと顧客の旅行の習慣に関する知識を獲得し、効果的に価値創造プロセスに適合できたので、金融サービスに成功裡に参入できたと結論付けてもよいのではないだろうか。(p174)
・侵入企業は、既存立役者たちのインターフェイスのレベルとは異なる戦略的なレベルで、顧客の意思決定プロセス(既存立役者のインターフェイスの死角)に参入する場合が多い。(p174)
・GCの競合企業(リース会社)は、GCの顧客企業(エンドユーザ)に対し、①機器サービス契約のデザイン、②GCのディラーと競合するサービス・センター、③純正スペア部品よりも低廉な「海賊版」の発展の奨励、④機器のオペレータに対する研修・教育の販売、⑤機器運転に対するパッケージ契約の締結、を展開することでGCの市場に侵入した。(p175)
・GCの盲点は、顧客企業の価値創造プロセスにおける自社の位置づけでその製品を定義したのではなく、自社の製品でその産業を定義したのである。これこそが、作り付けの盲点だったのである。(p176)
・侵入企業は、時には時には新しい構成要素を活用して、時には、古い構成要素を活用して、時には現存の構成要素の組み替えを行うだけで、生産システムを中央突破し、それを新しい形態や組み合わせの形で統合し直す。(p181)

21章 継続的な改良の必要性
・不断に変化する環境における自社の生存のためには、構造の改良、構造革新のプロセスが必要である。(p186)
・立役者に対して新しい役割を割り当てる革新は、自社が機会を識別・獲得し、環境変化に対応する<継続的な>監視行動、すなわち「コンセプト研究」(Van Heijden,1993)から発生する。これは価値創造論理からも導かれる。(p186)
・知識を資源として取り扱うこと(p188)
・企業が提供する作品パッケージは、人間の「この時間と場所」の行動を通じて、さらに事前にパッケージ化された「財」を通じて顧客企業に知識を移転する。(p188)
・知識創造システムにおける人間の効果性は、①人間が関与するチーム、②人間がアクセスを持つ用具およびネットワーク、③人間がその一部となっている経営の組織機構および全社的な支援システム、④人的資源および人間が参加したことのある専門能力開発プログラム、⑤人間を導く情報、「理論」、「世界観」、価値、論理、行動規範、によって決定される。(p188)
・ある個人が知識が豊富であり、高度の教育を受けており、経験が豊富であり、さらには意欲が強いからといって、必ずしもそれだけで行動が伴うというわけではない。これらの資源と他の資源が動員され行動に移されたときに初めてその個人の「コンピタンス」について語ることができる。(p189)
・コンピタンスは、立役者がどれだけの量の知識を自由に駆使できるかによっても決まる。(p189)
・構造革新は、①顧客企業基盤の開発、②自社のコンピタンス開発、の両者が相互に進展することを保障するのである。これらの適合関係が知覚可能で、検証可能になるようなデザインの確信を提供したときにコンピタンスの開発は明白になる。(p190)

2011年1月23日日曜日

なぜ高くても買ってしまうのか [マイケル・ニール]

◆「なぜ高くても買ってしまうのか」 売れる贅沢品は「4つの感情スペース」を満たす [単行本]
マイケル・J.シルバースタイン (著), ニール・フィスク (著),

BtoC向の価値訴求のポイントは4つの感情スペースであるとの主張です。
普段の生活用品等低価格化する一方、このため収入が同じなら昔より資金的余裕がでてきている。その余裕資金の使い道が4つの感情スペースに向かうとのこと。なるほど。

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2011年1月21日金曜日

サービスドミナントロジック

◆ サービス・ドミナント・ロジック―マーケティング研究への新たな視座 [単行本]
井上 崇通 (著), 村松 潤一 (著) 2010年3月

VargoとLuschの2004年の論文「Evolving to a New Dominant Logic for Marketing」から、書籍「The Service-Dominant Logic of Marketing: Dialog, Debate, And Directions」(ペーパーバック、2006年)、2008年の文献「Sevice-dominant logic: continuing the evolution」までのVargoとLuschの主張の変遷を概観し、Service Dominant Logicを創造的に批判し、今後の研究内容を示唆した貴重な文献。これからS-Dロジックを学ぼうとしていた待望の書だと思います。

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マーケティング22の法則

マーケティング22の法則
マーケティングのフレームワークを使いこなすノウハウとは別の視点で、ビジネス成功のための法則が、分かりやすい事例とともに紹介されています。MBAホルダーが理路整然と間違えないための処方箋です。法則を以下に紹介しますが、事例とともに読み込んだ方が腹におちます。事例が読みたい人は、図書館とかアマゾンでこの本を探してみてくださいね。

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●マーケティング作業から、神話と誤った感得方を取り除くために

1.一番手の法則:一番手であることは、ベターであることに優る
[The Law of Leadership.It's better to be first than it is to be better.]
他に優っていることをよりも、先頭を切ることのほうが大切。最初に顧客の心に入り込むことのほうが、最初に入り込んだ商品より自分の商品の方がベターであると人に納得させることよりもはるかに容易である(P12)。
(大西洋を2番目に横断した人の人物が分かりますか?)

2.カテゴリの法則:あるカテゴリで一番手になれない場合は、一番手になれる新しいカテゴリーを作れ
[The Law of the Category.If you can't be first in a category,
set up a new category you can be first in.]
あなたが新製品を開発するとき、真っ先に問題にすべきことは、「この新製品は競合商品よりどこが優れているか」ではなくて、「どこが新しいか」ということである。言い替えれば、この製品はどのカテゴリーで一番手かということだ(P27)。

3.心の法則:市場に最初に参入するより、顧客の心の中に最初に入るほうがベターである
 [The Law of the mind.It's better to be first in the mind
than to be first in the marketplace.]
一番手の法則では、心の中に最初に入り込むことが強調されていないが、市場に最初に参入することは、そうすることで心の中に真っ先に入り込めるという限りにおいて重要であるに過ぎない(P32)。
業界に革命を起こすかもしれないアイディアやコンセプトを思いつく人はいるが、問題はそのアイディアやコンセプトを顧客の心の中に吹き込むことである。そして、それは一気に吹き込まなければならない(P33)。

4.知覚の法則:マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである
 [The Low of Perception.Marketing in not a battle of products, it's a battle of perceptions.]
ベストの商品などありっこない。マーケティングの世界に存在するのは、ただ、顧客や見込み客の中にある知覚だけである。知覚こそ現実であり、その他のものはすべて幻である(P38)。大洋も、川も、都市も、町も、木も、家々も確かに存在しているが、私たちには自らの知覚を通してしか、これらのものを知る術はない。マーケティングとはこのような知覚の操作に他ならない(P40)。

5.集中の法則:マーケティングにおけるもっとも強力なコンセプトは、見込み客の心の中にただひとつの言葉をうえつけることである
 [The Law of Focus.The most powerful concept in marketing is owing a word in the prospect's mind]
もっとも効果家的な言葉は、簡潔で、利点を伝える言葉である。商品がどのように複雑なものであれ、また市場のニーズがどのように複雑であれ、複数ではなく、ただひとつの言葉、利点に焦点をあわせるのがベター(P52)。あなたの会社が一番手でない場合、この言葉は、あなたのカテゴリーの中で使える、いっそう焦点を絞り込んだものでなくてはならない(P52)。(EX:翌日配送、どろりとした)

6.独占の法則:二つの会社が顧客の心の中に同じ言葉を植えつけることはできない。
 [The Law of Exclusivity:Two compaies cannot own the same word in the prospect's mind.]
自分の競合会社が顧客の心の中にある言葉を植えつけていたり、あるポジションを占めている場合に、その同じ言葉を植えつけようと試みるのは無駄である(P64)。

7.梯子の法則:採用すべき戦略は、あなたが梯子のどの段にいるかによって決まる
 [The Law of the Ladder. The strategy to use depends on which rung you occupy on the ladder.
一番手になれなくても、二番手、三番手のブランド用に使える戦略はある。全ての商品が同じに作られているわけではない。顧客の心の中には、購買決定するに当たって用いる順序尺度(梯子)が存在し、この梯子段の上に商品名が載っている(P70)。自社の商品の位置を素直に認める、自社の商品を別のもっと大きな梯子に位置づけることで売上が上がる。

8.二極分化の法則:長期的に見れば、あらゆる市場は二頭の馬の競走になる
 [The Law of Duality. In the long run, every market becomes a two-horse race.]
はじめのうち新しい商品カテゴリの梯子には、多数の段がついている。ところが次第に、その梯子が二段式に変わっていく(P80)。成熟産業にあっては、第三位というのは、維持するのが難しいポジションなのである。顧客はマーケティングとは商品の戦いだと信じている(P82)。二つのブランドが常に上位を占め続けられるのも、こうのような考え方のせいである。「このブランドがベストであるに違いない。なにしろトップブランドなのだから」っと(P87)。

9.対立の法則:ナンバーツーの座を狙っているときの戦略は、ナンバーワンの在り方によって決まる
 [The Law of the Opposite. If you're shooting for second place,
your strategy is determined by the leader.]
もし、あなたが梯子の上から二段目にしっかりした足場を築きたいのであれば、ナンバーワンのエッセンスを見つけ出し、顧客にそれと反対のものを提供することである(P90)。ある特定の商品のカテゴリーの顧客層には、ナンバーワン商品を買いたがる層と買いたがらない層がある。ナンバー2を伺う会社は後者に呼びかけなければならない(P91)。ナンバーワンのまねをしてはいけない。

10.分割の法則:時の経過とともに、ひとつのカテゴリーは分割し、二つ以上のカテゴリーに分かれていく
 [The Law of Division. Over time,a category will divide and become two or more categories.]
ひとつのカテゴリは単体としてスタートするが時が立つにつれていくつかに分割されていく(P100)。業界ナンバーワンがその座を維持する方法は、新たに登場するカテゴリーにそれぞれ異なるブランド名を使用することである。

11.遠近関係の法則:マーケティングの効果は、長い時間を経てから現れる
 [The Law of Perspective:Marketing effects take place over an extended period of time.
長期的なマーケティング効果は、短期的な効果の正反対である場合が多い(P110)。バーゲンセールやクーポンは、短期的には売り上げを増やすが長期的には売り上げをへらす事例が増えている。売上を維持するのに常時バーゲンセールをやるようになるのである。

12.製品ライン拡張の法則:ブランドの権威を広げたいという抗しがたい圧力が存在する
 [The Law of Line Extention. Teher's an irresistible pressure to extend
the equity of the brand.]
ラインの拡張は効果がないということが分かっていながら、各社は次々とライン拡張ブランドを出し続けている。


13.犠牲の法則:何かを得るためには、何かを犠牲にしなければならない
The Law of Sacrifice. You have to give up something in order to get something.
「犠牲の法則」は「製品ライン拡張の法則」の逆である。犠牲にできるのは、製品ライン、ターゲット市場、絶えざる変更である(P134)。もし、成功を望むのであれば製品ラインを拡げる代わりに減らすべきである。ターゲットとは市場(あなたの商品を実際に買う顧客)というわけではない。自分を29歳だと思いたい50歳の男性もペプシを買うのだ。市場の変化にぴったりついて行こうとすれば道を踏みはずす。一貫したポジションを維持する一番の方法は、ポジションを変えないことである。

14.属性の法則:あらゆる属性には、それとは正反対の、優れた属性があるものだ
The Law of Attributes. For every attribute, there is an opposite, effective attribute.
競合会社が顧客の心に植えつけている言葉やポジショニングと同じものをあなたが植えつけることはできない。ナンバーワンと張り合えるような正反対の属性を探すのが利口だ。ここでのキーワードは「正反対」である。「同じような」ではだめだ(P148)。マーケティングはアイディアの戦いである。だから、もしあなたが成功したいと思うなら、独自のアイディアや属性を用意して自分の努力をそこに傾注しなくてはならない。それができないなら、価格を下げればいい。徹底的に値下げすることだ(P149)。 (虫歯予防V.S.白くする、防臭効果、フッ素入り)

15.正直の法則:あなたが自分のネガティブの面を認めたら、
   顧客はあなたにポジティブな評価を与えてくれるだろう
The Law of Candor. When you admit a negative, the prospect will give you a positive.
顧客の心の中に入り込む一番効果的な方法は、まずネガティブ面を認めて、それをポジティブ要素に変えることだと聞けばあなたば、あなたは驚くかもしれない(P156)。正直の法則は注意深く、かつ巧みに利用しなくてはならない。あなたのネガティブのイメージが顧客の心に瞬時に同調心が湧くようにしないといけない。そのあと素早くポジティブな訴えに移ることだ。目的は顧客を納得させるようなプラス面を提供することだる(P160)。

16.一撃の法則:各々の状況においては、ただひとつの動きが重大な結果を生むのである
The Law of Singularity. In each situation, only one move will produce substantial resulte.
あなたが一生懸命や労が気楽にやろうが、その違いは微々たるものだ(P164)。歴史の教訓によれば、マーケティングにおいて実行を上げうる唯一の行動は、一回きりの大胆な一撃である(P165)。成功する将軍というのは、戦場を仔細に調査し、敵が最も予期していない一撃が何であるかを模索する。その一撃をみつけることは難しいが、その一撃を上回る攻撃方法を見つけることは通常不可能である(P165)。ほとんど例外なく、競合会社の弱点はただ一箇所しか存在しない。そしてその場所こそ、攻撃力の全てを集中すべき目標である(P165)。

17.予測不能の法則:自分で競合相手のプランを作成したのでない限り、あなたが将来を予測することはできない
[The Law of Unpredictability. Unless you write your competitors' plans, you can't predict the futer.
未来予測に基づいて立てられたマーケティングプランは、たいがい失格である。競合他社の反応を見通せないことが、マーケティングで失敗する主な理由である(174)。アメリカにとっての大きな問題は財務上の短期的考え方にある(P175)。予測不能な世界に対処する一つの方法、あなたの組織内に考えうる限りの柔軟性を植え込んでおくことである(P179)。

18.成功の法則:成功はしばしば傲慢につながり、傲慢は失敗につながる
[The Law of Success. Success often leads to arrongance, and arongance to failure.]
エゴ、つまりうぬぼれはマーケティングを成功させる上での敵である。求められるのは客観性だ。人は成功すると、とかく客観性を失いがちになる。彼らはしばしば自己の判断を市場のニーズと混同するのだ(P184)。
成功は失敗の母。

19.失敗の法則:失敗は予期することもできるし、また受け入れることもできる。
[The Law of Failure. Filure is to be expected and accepted.]
日本人は過ちを早期に認め、必要な変更を加えることができる国民のようである。彼らのコンセンサスに基づく経営方式ではいきおいエゴは排除される。このエゴを埋没させた手法こそ、日本人をかくも情け容赦のないマーケッターに仕立て上げている大きな要素である。
サム・ウオルトンは、誰しも射撃のつどごとに、毎回標的に命中させられるものではないということをよく承知していた。だから、ウォルマートでは、誰かが新しい企画に失敗しても、罰せられることはない。「もし何かに学び、その何かを試みれば、その人は何かを得るはずだ。許せないのは、同じ過ちを二度犯す人間である。」(p193)
マーケティング上の決定は、第一に意思決定権者のキャリア、第二に競争状況ないし敵に与えるインパクトを念頭において下される場合が多い。私的な配慮と公的な会社の事情との間には、抜きがたいせめぎ合いがある。この結果リスクを冒そうとするものがいなくなる(P193)。そうならないようにする仕組みが必要になる。(例:3Mのチャンピオンシステム)

20.パブリシティの法則:実態はマスコミに現れる場合と逆であることが多い
[The Low of Hype. The situation is often the opposite of the way it appears in the press.]
万事が順調に進んでいるとき、会社はパブリシティを必要としない。パブリシティを必要とするのは、たいてい困ったときである(P198)
新聞の一面は無視していい。もしあなたが未来を模索しているなら、後のほうに載っている月並みのべた記事に目を通すことだ(P202)。
本当の革命は夕方六時のニュースとともに訪れるものではない。本当の革命は深夜、予告なく、あなたの元に忍び寄るのである(P206)。

21.成長促進の法則:成功するマーケティング計画は、一時的な流行現象(ファッド)の上に築かれるのではない。トレンドの上に築かれるのだ。
[The Low of Acceleration. Successful programs are not built on fads, they're built on trends.]
波浪と同じようにファッドも視覚に捕らえることは容易で、トレンドは潮流と同じく目にはほとんど見えないが、長期的にはきわめて強力な力を発揮する(P208)。ファッドは無視した方がいい。ファッドが現れたら、水を差すことを心がけよう。あなたの商品への需要を長く維持する方法のひとつは、その需要を完全には満足させないことだ(P211)。

22.財源の法則:しかるべき資金がなければ、せっかくのアイディアも宝の持ち腐れとなる
[The Low of Resouces. Without adequate funding an idea won't get off the ground.]
金のないアイディアはまったく無価値であるとはいえないにしても、まあ、無価値に近い(P215)。資金を得るためなら、多大な犠牲をもいとわないくらいの覚悟をしてほしい(P216)。何事につけ、ケチりながら成功することはできない。成功するマーケッタは、常に先行投資を行う。言い替えれば、彼らは収益をそっくりマーケティングに再投下する。このため、2、3年の間は利益を受け取らないのである(P220)。